2026/10/30 精密根管治療ブログ
数字で見る精密根管治療。805人を診てきてわかったこと

この記事を執筆した人
若林歯科理事長 米崎広崇
愛知学院大学歯学部を卒業後、同大学口腔外科学第一講座に入局し、多治見市民病院・春日井市民病院の歯科口腔外科で勤務。2008年に若林歯科院長、2012年に医療法人社団若林歯科理事長に就任しました。
日本顕微鏡歯科学会会員として、マイクロスコープとCTを使った精密根管治療を担当しています。口腔外科での経験から、根の治療だけでは治りきらない歯にも、根の先の手術や一度抜いて戻す方法まで含めて、歯を残す道を検討しています。
国際歯周内科研究会副代表理事、日本口腔インプラント学会会員。
診療室のモニターにCTの断面を映して、患者さんと一緒に根の管の数を数えることがあります。何本あって、どこに病巣があるのか。それを見てから、残せるかどうかの話をします。私がこれまで何人の方の根の治療をしてきて、そのうちどれくらいが悪くなって戻ってくるのか。数字にすると、この治療でできることとできないことが見えてきます。院内の記録から数えた数字で、順にお話しします。
2015年以降で805人、この1年で95人の根の治療をしています

顕微鏡を使った精密根管治療を始めた2015年から、805人の方を担当してきました。

週に2人ほどのペースで、毎年この治療を続けています。
この数字をお見せするのは、多さを誇りたいからではありません。根の治療は1本ごとに根の数も管の形も違い、似た形はあっても同じ歯は出てきません。だから数を重ねた分だけ「この形は見たことがある」が増えていきます。1回の予約を60分とる形は、人数が増えても変えていません。なお、顕微鏡・CT・ラバーダム・MTAセメントといった設備や材料そのものの説明は精密根管治療のページにまとめていますので、そちらをご覧ください。
8割が奥歯、6割がやり直しの治療です

2024年以降の記録で、どの歯を治療したかを数えました。6割近くが大臼歯、つまり奥歯です

そして約6割が、すでに一度根の治療をした歯のやり直し(再根管治療)です。
転院されたことが記録に残っているのは7人(約3%)ですが、これは主訴の記録から拾えた分だけなので、実際はもっと多いと考えています。
つまり私のところに来る歯は、奥歯で、すでに一度治療されている歯に偏っています。大臼歯は根が複数あり、管が細く曲がっていることもあるので、手がつけられていない根管が残りやすい歯です。一度詰められている歯は、その詰め物を外すところから始めます。数字が偏っているのは、条件の難しい歯が集まってくるからだと受け止めています。
20症例に1症例は戻ってきます。原因はほとんどが歯の割れです
治療したあとに、また悪くなって戻ってくる歯は、20症例に1症例ほどあります。時期は治療後すぐか、1年以内が多い。歯の種類では大臼歯が多い印象です。

原因はほとんどが破折、つまり歯が割れることで、まれに根の中の詰め方が足りなかった場合です。詰め方が原因だった歯は、もう一度詰め直すことで良好に経過しています。一方、割れている歯は、根の中をどれだけきれいにしても解決しません。腫れて、噛むと痛いと戻ってこられた歯が一例ありますが、この歯はもう一度精密根管治療を行って残すことができました。
治療の前に割れを見分けるために、私が見ているのは2つです。CTやレントゲンで根の周り全体が黒くなっていないか、そして顕微鏡で見たときに破折線が入っていないか。根の周りが全体的に黒いときは、破折の可能性が高いと考えます。著しく動く歯、割れている歯、被せ物ができないほど歯が崩れている歯については、この1年でも「残せません」とお伝えした歯が相当数あります。
5年以上診ている歯があります。3回・1か月強で終えた上顎の奥歯

いちばん長く診ている歯は、40代女性の上顎の第一大臼歯です。最初の訴えは強い痛みではなく、重い感じがする、時々痛むというものでした。レントゲンで根の先に病巣があり、割れは見られませんでした。前の医院での治療はかなり前のものでした。
当院での治療は精密根管治療3回、期間は1か月強です。
正確な年数は記録を追わないと出せませんが、5年以上たって、今も良好に経過しています。
通院回数の目安は次のとおりです。

ただ、根の治療の結果は、終わった直後に痛みがないかどうかでは判断できません。根の先の病巣が骨の中で治っていくには時間がかかるので、数年単位で見ていく必要があります。5年という数字は、そのために意味のある数字だと私は考えています。
※精密根管治療は保険のきかない自費診療です。費用(税込)は、初めて神経をとる治療が55,000円〜、やり直しの治療が116,600円〜で、歯の種類によって変わります。もともと歯にひびがある場合などは、歯が割れて抜歯になることがあります。費用・期間の詳しいことは精密根管治療のページをご覧ください。
まずは診断だけでも、ご相談ください
数字だけで、あなたの歯が残せるかどうかは決まりません。CTと顕微鏡で見てからお話しできることが多いので、まずは診断だけでもお越しください。ほかの医院で治療中の方のご相談も受けています。
ご相談は、Web予約ページの「精密根管治療相談」からお取りください。相談の日はカウンセリングと資料取りを行い、治療はしません。精密根管治療の相談は土曜日もご予約いただけます。

▶ Web予約ページはこちら
https://dentnet-book.genesis-net.co.jp/wakabayashi/
すでに若林歯科に通院中の方は、次回の来院時に「精密根管治療の相談をしたい」とお声がけください。
精密根管治療について詳しくはこちら
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