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2025/05/23 ブログ

インビザラインで抜歯が必要・不要なケースを解説。抜歯のタイミングもご紹介

インビザラインに限らず、矯正治療においては抜歯が必要となるケースがあります。
しかし、「抜歯は怖い、抜歯をするのは……」と不安に感じられる方もいらっしゃるかと思います。実は、矯正治療をするうえで抜歯をするかどうかは、症例によって異なり、抜歯をせずにインビザラインの治療ができるケースもあります。

この記事では、インビザラインにおいて抜歯をする理由、抜歯が必要となるケースとならないケース、抜歯のメリットとデメリットについて解説します。

インビザラインで抜歯が必要なケース

インビザラインで理想どおりに歯を動かすのが難しいようなケースは抜歯が必要となります。
以下のような場合が該当します。

出っ歯受け口叢生

出っ歯

軽度の「出っ歯」であればインビザラインのみで矯正が可能ですが、重度のケースでは前歯を後ろに引っ込めるスペースを作るため、抜歯ありの矯正治療をおこなう場合があります。

受け口

反対咬合とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態のことです。通常の噛み合わせだと、上の歯が下の歯を覆い被せるような形で噛み合います。
受け口の矯正では、抜歯をして額間ゴムを装着して、歯を少しずつ動かします。
受け口の症状が重度な場合、ワイヤー矯正になる可能性もあるでしょう。

叢生(歯並びがデコボコ)

歯並びがデコボコしている「叢生(そうせい)」と呼ばれる状態だと、歯列を整えるのに抜歯が必要になることがあります。歯が本来の位置に生えるスペースが足りず、重なったりねじれたりして生えてしまうことでデコボコになります。
特に、歯が大きい、あるいは顎が小さいといった骨格的な特徴があると、叢生になりやすくなります。そのため、歯列を整えるために、抜歯が必要になることがあります。

インビザラインで抜歯が不要なケース

インビザライン治療では、必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。
以下のように対応できる場合は、基本的に抜歯せずに治療できることが多いです。

歯列拡大ができる

インビザラインは歯に一定の力を加えることができ、側方拡大が可能なのが特徴で、歯列が全体的に外側に広がることで歯列の幅が広がります。

歯列が側方へ拡大

歯列が広がって歯と歯のあいだにスペースを作ることで、歯を正しい位置に並べることが可能になります。そのため抜歯の必要はなくなります。

歯列拡大が利用できる条件
1、重度の八重歯・乱杭歯でないこと
2、側方拡大で矯正に必要な分だけスペースが作れること

奥歯の後方移動ができる

歯を奥に動かすことによってスペースを確保できる場合、抜歯は必要ありません。
インビザラインは後方移動を得意としているのも特徴です。

歯列を後方へ拡大

ただ、歯は骨の上でしか動かないため、もともと顎が小さい方の場合、奥歯を後方に動かせたとしても十分なスペースを生み出せないこともあります。
また、奥歯を後方に動かすにあたり、それを邪魔する親知らずがある場合は親知らずの抜歯は必須となることもあります。

奥歯の後方移動が利用できる条件
1、奥歯の後ろにまだ顎の骨があること
2、奥歯の移動で必要なスペースを作り出せること
3、親知らずを抜歯する、または生えていないこと

歯を削るだけで対応できる

スペースを確保する方法の1つに、IPR「Inter Proximal Reduction(インタープロキシマル リダクション」と言って、歯を削る方法があります。
削ることによって歯を動かすスペースを確保できる場合は、抜歯が不要となります。

すき間を利用して歯列を整える

IPRは、歯の表面のエナメル質を削ります。削る量は0.1~0.25mm程度です。そのため、IPRによって歯が弱くなったり知覚過敏になったりする心配はなく、削る際の痛みもありません。
歯を動かすスペースを作る目的だけではなく、歯の形や大きさを整える目的などで行われることもあります。
IPRは、インビザラインを進めながら途中で行うこともあれば、仕上がりを向上させる目的で終わりがけに行うこともあります。

「どの歯をどれくらい削るのか」は、治療開始前に行うシミュレーションではっきり分かるので、不要に歯を削られてしまう、という心配はありません。
<歯を削るだけで対応できる条件>
・スペース不足がわずかな場合

インビザラインで抜歯をするメリット

抜歯と聞くと、痛い、怖いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし抜歯をすることで、対応できる症例が増えるだけでなく、矯正期間が短くなったりと、さまざまなメリットもあります。他にもインビザラインで抜歯をした場合、以下のようなメリットはあります。

歯並びの乱れが重度でも対応できる

重度の叢生(ガタガタの歯並び)の原因は、多くの場合「歯が並ぶためのスペース不足」です。このような場合でも抜歯によってスペースを確保することで、歯を無理なく正しい位置に動かすことができるようになります。

出っ歯の場合も、抜歯によりスペースを大きく確保できるため、口元の前突感を改善させることができます。
インビザラインでは、治療前に3Dシミュレーションを行います。抜歯スペースをどう使って歯を動かすか、どんな仕上がりになるかをイメージすることができます。そのため、重度の歯列不正であっても、計画的かつ安全に動かす設計ができるのです。

治療期間が短くなる場合がある

歯並びが悪い原因は、そもそも歯が並ぶためのスペースが足りていないことがほとんどです。この状態で歯を無理に並べようとすると、少しずつ動かすしかなく、治療が進みにくくなります。
一方、抜歯によってあらかじめスペースをつくっておくと、歯が動きやすくなり、効率よく治療が進むこともあります。その結果、全体の治療期間が短くなるのです。

また抜歯をしない場合、足りないスペースを補うために歯列を広げる必要がありますが、無理に広げると歯や歯ぐきへの負担が大きく、途中で治療がストップしたり、やり直しが必要になることもあります。
抜歯をして必要なスペースが確保されていれば、治療の設計がシンプルになり、追加のアライナーが不要になることも多く、スムーズに治療が可能です。

インビザラインで抜歯をするデメリット

インビザライン治療で抜歯をすることで、歯並びはきれいに整いやすくなりますが、デメリットもゼロではありません。

噛む力に影響することがある

抜歯をするということは、もともと使っていた歯がなくなるということです。
とくに奥歯など噛む力を支える歯を抜いた場合、噛み合わせのバランスが変わることがあります。

ただし、抜歯をするのは小臼歯(前から数えて4番目の歯)や、元々噛めていない下の前歯なことがほとんどであり、治療計画がしっかり立てられていれば、噛み合わせを調整しながら進めることで大きな問題になることはほとんどありません。

抜歯後は一時的に痛む

抜歯はしっかり麻酔をかけたうえで行うため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が切れたあと、数時間~翌日にかけて痛みや違和感を感じる方はいらっしゃいます。
これは極めて通常の経過で、処方される痛み止めを飲めばコントロールできる程度のものです。

インビザラインで抜歯をするタイミング

インビザラインで抜歯をする場合、矯正前のタイミングでおこないます。
歯並びの状態によっては、矯正の途中で抜歯することもありますが、矯正前に抜歯をすることが一般的です。
ただし、抜歯の難易度が高い場合は、大学病院や市民病院の口腔外科の紹介を受けて抜歯をするケースもあります。

インビザラインで抜歯が必要か知りたい方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください

若林歯科では、知識と経験豊富な歯科医師、スタッフがカウンセリングから治療までを担当します。お悩みやご不安を聞き、患者様一人ひとりにあった治療方法をご提案いたします。また、希望予算や期間に応じて治療プランをご選択いただけます。

インビザライン矯正で抜歯が必要か知りたい方は、ぜひ、若林歯科にご相談ください。
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