2026/04/28 ブログ
小児マウスピース矯正のメリット・デメリット。成人矯正との違いとは?

この記事を執筆した人
若林歯科院長 米崎美桜
愛知学院大学歯学部を卒業後、同大学で歯科医師臨床研修(小児歯科)を修了。
日本小児歯科学会会員、一般社団法人日本小児矯正研究会副理事長として小児歯科・矯正治療の専門性を持ち、特にインビザラインを用いた矯正に強みを発揮しています。
豊田市内の学校・こども園の歯科医としても活動し、虫歯予防から歯列改善まで幅広く対応。医療コラム執筆者としても信頼され、保護者に向けて「一生涯虫歯ゼロ+美しい歯並び」をサポートする情報を提供しています。
「子どもの歯並びが気になるけれど、マウスピース矯正は子どもでもできるの?」「ワイヤーじゃなくてマウスピースにしてあげたいけれど、どんなメリット・デメリットがあるの?」とお考えの保護者の方は多いのではないでしょうか。小児マウスピース矯正は、お子様の成長を活かしながら顎の発育を促すことができる矯正方法です。
この記事では、小児マウスピース矯正のメリット・デメリット、成人矯正との違い、そして代表的な種類について、若林歯科の視点から詳しくご説明します。
小児マウスピース矯正のメリット
小児期にマウスピース矯正を行うことは、成人になってから矯正を始めるのとは異なる独自のメリットがあります。お子様の成長する力を活かせるのが最大の特徴です。

顎の成長を促すことができる
小児期は顎の骨がまだ柔軟で成長段階にあります。この時期にマウスピース矯正を行うことで、顎の骨の成長方向をコントロールし、永久歯が並ぶスペースを作ることができます。
成人になってから矯正する場合は、顎の骨がすでに完成しているため、スペースが足りなければ抜歯が必要になることがありますが、小児期から矯正を始めることで抜歯リスクを減らせる可能性があります。将来的に行う本格矯正(第二期治療)の期間や費用を抑えられることにもつながります。
虫歯の予防になる
歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくい部分に汚れが残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。小児マウスピース矯正で歯並びを整えることで、日頃の歯磨きがしやすくなり、口腔内を清潔に保ちやすくなります。
また、正しい噛み合わせを作ることで、特定の歯に過度な噛み合わせの力が集中することを防ぎ、歯の寿命を守ることにもつながります。子どものうちに歯並びを整えることは、将来の歯の健康への投資ともいえます。
小児マウスピース矯正のデメリット
メリットが多い小児マウスピース矯正ですが、いくつかの注意点もあります。事前にデメリットもしっかり理解した上で、お子さんに合った治療法を選ぶことが大切です。

子どものモチベーションを保つのが難しい
小児マウスピース矯正の多くは、就寝時を含めた一定の装着時間が必要です。大人であれば治療への意欲や必要性を自分で理解して続けることができますが、お子さんの場合は「マウスピースをつけたくない」「なくした」「めんどくさい」などの理由から装着を嫌がることがあります。お子さんが治療を前向きに続けられるよう、保護者の方の日頃のサポートと声かけが不可欠です。
一定の矯正期間が必要となる
小児矯正(第一期治療)は、顎の成長が落ち着くまでの間、数年単位で保定期間が続くことがほとんどです。一期治療が終わっても、永久歯が生え揃った後に二期治療(本格的な矯正)が必要になるケースもあります。矯正は長期的な計画であることを、ご家族全員で理解した上で取り組むことが大切です。
小児マウスピース矯正・成人マウスピース矯正の違い
一口にマウスピース矯正といっても、小児向けと成人向けでは目的・使用方法・期間などに大きな違いがあります。それぞれの特徴を正しく理解して治療をうけるかを決めましょう。

治療目的
小児マウスピース矯正の主な目的は、顎の骨の成長をコントロールし、永久歯が並ぶスペースを作ること。口腔習癖(口呼吸・指しゃぶり・舌の癖など)を改善することです。一方、成人のマウスピース矯正(インビザラインなど)は、すでに生えそろった永久歯を正確な位置に移動させて歯並びと噛み合わせを整えることが主な目的です。
作製方法
小児向けマウスピース(プレオルソ・マイオブレースなど)は、あらかじめ決まったサイズのものを選んで使用することが多く、成長に合わせてサイズを変えていきます。成人向けのインビザラインなどは、口腔内スキャナーで精密に採型を行い、個人の歯並びに完全にフィットするオーダーメイドの装置を製作します。
使用方法
小児向けのマウスピース矯正装置の多くは、就寝時を含めた夜間中心の装着か、1日1〜2時間程度の短時間装着で効果を発揮するものが多い傾向があります。舌の使い方や口呼吸の改善など、お口の筋肉や機能の訓練も治療の重要な柱です。成人のインビザラインは1日22時間以上の装着が必要です。
使用期間・時間
小児矯正(一期治療)の期間は1〜3年程度が目安で、その後の永久歯の萌出状況により二期治療に移行することがあります。成人のマウスピース矯正は症例の難易度にもよりますが、軽度で6ヶ月〜1年、全体矯正では1年半〜3年程度かかることが多いです。
形・固さ
小児向けの装置は、柔らかいシリコン素材や弾力のある樹脂を使用したものが多く、お子さんの顎に優しく作用するように設計されています。成人のインビザラインは薄く硬い透明な樹脂でできており、精密な力で歯を移動させます。
小児マウスピース矯正の種類
小児マウスピース矯正には、いくつかの代表的な種類があります。それぞれ特徴や適応年齢が異なるため、お子さんの状態に合わせて歯科医師が最適なものを選択します。

プレオルソ
プレオルソは、乳歯列期から混合歯列期(3〜10歳頃)に使用する、柔らかいシリコン素材の機能的矯正装置です。就寝時と日中1〜2時間の装着を行い、口腔周囲筋の機能改善と顎の正常な発育を促します。
口呼吸や舌の悪い癖(舌癖)の改善にも効果があるとされており、歯並びの土台づくりに適した装置です。成長に合わせてサイズを変えていきます。
マイオブレース
マイオブレースは、口呼吸・舌の位置・飲み込み方などの「口腔習癖」を改善することを主な目的とした機能的矯正装置です。歯並びを悪くする根本的な原因(口腔機能の問題)にアプローチすることが特徴で、6〜15歳頃に適応されることが多いです。専用のトレーニングアクティビティと組み合わせて使用します。
T4K(トレーナー・フォー・キッズ)
T4K(Trainer for Kids)は、マイオブレースシリーズの一つで、主に6〜10歳頃の混合歯列期に使用する装置です。柔らかいシリコン素材でできており、舌の位置を正しい場所に誘導したり、口の周りの筋肉を正常に機能させる訓練をしたりすることができます。歯を直接動かすというよりも、正しい口腔機能の発達をサポートする装置です。
ムーシールド
ムーシールドは、特に受け口(反対咬合)の改善に特化した小児向けの機能的矯正装置です。就寝時に装着することで、舌を正しい位置に誘導し、下顎が前に出るクセを改善する効果が期待できます。早期に適切な介入ができる装置として、3〜5歳頃の乳歯列期から使用できることが特徴です。反対咬合は放置すると骨格性の問題に発展しやすいため、早めの相談が大切です。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、成人向けのインビザラインを開発したアライン・テクノロジー社が提供する、子ども向けのマウスピース矯正システムです。
乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6〜10歳頃)のお子様に対応しており、成人のインビザラインと同様に透明で取り外し可能なアライナーを使用します。顎の成長に対応した設計がされており、永久歯が生えてきた時に適切なスペースが確保できるよう治療を進めます。
(関連記事:マウスピース矯正の効果とは?メリット・デメリットや効果を得るコツ)
小児マウスピース矯正を検討している方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください
小児マウスピース矯正は、お子さんの成長の力を活かせる貴重な時期に行う治療です。「うちの子の歯並びは大丈夫かな?」と少しでも気になった時が、相談のタイミングです。早期に適切なアドバイスを受けることで、将来の大がかりな治療を予防できる可能性があります。
愛知県豊田市の若林歯科では、小児矯正から成人矯正まで幅広く対応しており、お子さんの歯並びの状態や成長段階に合わせた適切な治療プランをご提案しています。当院院長は日本小児矯正研究会の副理事長も務めており、小児の矯正治療に豊富な経験と知識を持っています。ご希望の予算や治療期間に応じてプランをご選択いただけますので、お気軽にご相談ください。
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