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2025/07/28 ブログ

インビザライン治療で親知らずの抜歯は必要?メリットは?ケース別に解説します

インビザライン矯正治療を始めるには、親知らずの抜歯が必要になることもあります。
この記事では、親知らずの抜歯が必要になるケース、抜歯のメリットとデメリット、そして矯正治療における抜歯の適切なタイミングについて詳しく解説します。

親知らずとは

親知らずとは

親知らずは前から8番目にあたる歯で、智歯(ちし)とも呼ばれ、人間のお口の中で最も後方に位置する第三大臼歯です。多くの場合、1人の成人につき最大4本存在し、通常は20歳前後に生え始めます。

親知らずと呼ばれる理由には、「親が知らぬ間に生えてくる」という言い伝えがありますが、これは成人に近づく時期に生えることが多いためです。

親知らずの特徴として、顎の成長により十分なスペースがない場合が多く、不完全にしか生えてこれず斜めに生えることがあります。このように不適切に生える親知らずは、清掃が困難で虫歯や歯周病の原因になりやすいほか、隣の歯を圧迫して歯列や咬合に悪影響を及ぼすこともあるので、抜歯したほうがいい場合もあります。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するメリット

親知らずが生えてくる時期

インビザライン治療を考える際、親知らずを抜歯するメリットもあります。ここでは、3つのメリットについて詳しく説明します。

歯を動かしやすくなるため理想の歯並びになりやすい

親知らずがあると、お口の後方のスペースが限られているため、歯の移動量に制限があり完璧な歯列に整えることが難しくなる場合があります。
このような場合、親知らずを抜歯することで、必要なスペースを確保し、歯列全体を効率的に後方に移動させることができるようになります。
適切に移動ができることにより治療期間の短縮も期待できます。

後戻りが起きづらい

親知らずは他の歯を動かしてしまう力を与えることが多いため、これを放置すると矯正後の歯並びが元に戻りやすくなることがあります。
親知らずを抜歯することで、このような余計な力が取り除かれ、矯正によって得られた理想的な歯の位置をキープすることができます。

虫歯になりづらい

親知らずはお口の一番後方に生えているため、日常の歯磨きで清潔に保つことが非常に困難です。そのため虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。

さらにインビザライン矯正治療中はマウスピースを装着することで歯全体が覆われ、唾液の自浄作用が制限されるため、通常よりも歯周病や虫歯の発生リスクが高まります。
親知らずを事前に抜歯しておくことで、これらのリスクを下げることができ、治療中断を防ぐことができます。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するデメリット

痛い女性

インビザライン治療で親知らずを抜歯するデメリットも存在します。

抜歯後はしばらく痛みが続く

抜歯は外科的な処置であり、治療後には一時的な痛みや腫れが伴うことが一般的です。
親知らずは顎の深い位置にあり、下の親知らずは顎の骨に埋まっているケースが多いです。そのため、抜歯の際に顎の骨を削る必要がある場合があります。顎の骨を削る場合、周りの組織に影響があるため、抜歯後に腫れたり、痛みを感じることがあります。

健康な歯を抜くこととなる

親知らずが虫歯でもなく、健康であっても、矯正治療のために抜歯が必要となった場合、「健康な歯を抜く」ということに抵抗を感じる方は少なくないです。
矯正治療において後々、悪影響を及ぼす可能性があるため、予防的措置として抜歯した方がいいと判断するケースがあります。そういった場合は、健康であっても抜歯する必要がでてきます。

インビザライン治療で親知らずの抜歯が必要なケース

インビザライン治療中に親知らずを抜歯した方がいいケースはいくつかあります。下記の4つのケースについて解説していきます。

抜いたほうがいい親知らず

親知らずが他の歯を圧迫している

親知らずが隣の歯を圧迫している場合は、歯並びに悪影響を与える可能性が高いため抜歯したほうがよいでしょう。歯茎の中に親知らずが埋まっている場合でも、歯茎の中で隣の歯を圧迫していることがあります。

そのような場合は、治療中や治療後の後戻りを防ぐためにも、親知らずを抜いたほうが良いと判断します。

親知らずが虫歯になっている

親知らずがまっすぐ正常に生えていない場合、歯磨きがしっかりできないことから、虫歯になっていることがとくあります。そのような場合も抜いたほうがよいでしょう。治療しても虫歯になる確率が高いため、抜歯してトラブルを避けたほうがよいといえます。

親知らずが噛み合わせに影響している

インビザライン治療は、歯並びだけでなく噛み合わせも同時に整えます。噛み合わせが合っていない親知らずは抜いたほうがよいでしょう。きれいに生えているように見える親知らずでも、噛み合わせに悪影響を与えている場合は抜歯する必要があります。

歯を動かすスペースが不足している

日本人は顎が小さく、歯が生えるスペースが足りないことで歯並びが悪くなる傾向にあります。限られたスペースで歯をきれいに並べるのは難しく、親知らずがあると余計にスペースが足りなくなります。

親知らずがまっすぐに生えていたとしても、歯を並べるスペースが足りない場合は親知らずを抜く必要があります。

インビザライン治療で親知らずの抜歯が不要なケース

抜くか抜かないか

インビザライン治療を進めるにあたって親知らずを抜くケースは多いですが、親知らずの抜歯の必要がないケースもあります。インビザライン治療で親知らずを抜く必要がないケースは、以下の3つです。

親知らずがまだ発達していない

親知らずが歯茎と骨の中に埋まっていて根っこが形成されていない場合は、抜歯する必要はないでしょう。これから成長して生えてくる可能性が低い場合も抜歯は不要です。
親知らずの経過を観察しながら、歯並びに悪影響を及ぼす可能性が出てきた時点で抜歯を行うことがあります。

歯を削る(IPR)だけで対応できる

IPRとは、歯と歯の間にすき間を作るために、歯の側面を少し削る処置です。インビザライン治療ではよく行われる処置の一つです。しみるなどの影響が出ない安全な範囲で歯の表面をほんの少し削るので、歯の強度や寿命に影響はありません。痛みが生じることもありません。IPRでスペースを確保できる場合、親知らずを抜く必要はありません。

奥歯を後方に動かす必要が無い

インビザライン治療では、奥歯を後方に移動させて前歯部分のスペースを確保することがあります。この動きが必要ない場合も、抜歯しなくても良いでしょう。

インビザライン治療で親知らずを抜くタイミング

インビザライン治療を始める前に、親知らずを抜歯することが一般的です。
親知らずが残っていると、他の歯の動きに影響を与えたり、治療の進行を妨げたりする可能性があるため、事前に抜いておくことで、治療計画も立てやすくなります。
ただし、すべてのケースで抜歯が必須というわけではありません。

親知らずの位置や状態、治療の内容によっては、治療の途中または保定期間中に判断する場合もあります。抜歯後は歯ぐきや骨の回復を待つ必要があり、回復状況によっては矯正治療の開始が少し遅れることもあるため、個々のケースに応じて、適切なタイミングを相談しましょう。

インビザライン治療で親知らずを抜かない場合の対応方法

インビザライン矯正を考えている方の中には、「できれば歯を抜きたくない」と思う方も多くいらっしゃいます。そのため、抜歯を避けられる治療法がないか、事前に検討されることもあります。

ただし、その場合はいくつかの条件や注意点を理解しておくことが大切です。以下に、インビザライン矯正で抜歯を避けたいときの選択肢と注意点について解説します。

①IPR(歯の削合)によるスペース確保

「IPR(Interproximal Reduction)」は、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを作る方法です。軽度〜中程度の叢生(ガタガタした歯並び)であれば、IPRを活用することで抜歯を避けられるケースがあります。

②歯列の拡大による対応

顎の幅が足りない場合、歯列を外側に拡大する方法があります。これにより歯を並べるスペースを作ることができ、抜歯を避けられることがあります。ただし、骨格の成長がすでに止まっている成人では、拡大に限界があるため、全員に適応できる方法ではありません。

③奥歯の遠心移動

マウスピース矯正の特性を活かし、奥歯を後ろに動かしてスペースを作る「遠心移動」も抜歯を回避する一つの方法です。ただし、親知らずの生え方によっては奥へ移動する余地がないため、この方法が使えないことがあります。

④部分矯正を検討

インビザライン治療の目的が「前歯部のみ並べば良い」といった部分矯正であれば、親知らずの影響は最小限と考えて無視することも可能です。

抜く時期の相談

インビザライン矯正で親知らずの抜歯について不安がある方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください

若林歯科では、知識と経験豊富な歯科医師、スタッフがカウンセリングから治療までを担当します。お悩みやご不安を聞き、患者様一人ひとりにあった治療方法をご提案いたします。
また、希望予算や期間に応じて治療プランをご選択いただけます。
親知らずの抜歯についてご不安な方は、ぜひ若林歯科にご相談ください。

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