2025/04/28 ブログ
出っ歯はインビザラインで治療できる。メリットや費用・期間を解説
矯正相談にいらっしゃる方のお悩みでダントツに多いのが、「ガタガタ」と「出っ歯」
日本人は、顎の骨格が縦に長く歯が生え揃うスペースが少ないため、出っ歯の症例が欧米に比べて多く、10人に1人は出っ歯で悩んでいるといわれています。
「インビザライン矯正で出っ歯が本当に治るのか?」「逆に出っ歯になることはないのか?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事ではインビザライン矯正で出っ歯が治るのか、具体的な方法も併せてご紹介します。
インビザラインで出っ歯は治療できる?
出っ歯とは、上顎や前歯が正常な位置よりも前に出ている状態です。上顎前突とも言われます。
見た目のコンプレックスになるだけでなく、口をしっかりと閉じるのが難しくなり、前歯でものを噛み切れないといった症状による悩みを抱える方もいます。
上の前歯は、下の前歯より2〜3mm程度前に位置しているのが正常です。4mm以上出ていれば出っ歯の傾向とされ、7〜8mm以上出ている場合は治療対象と判断されます。
出っ歯には、「骨格性上顎前突」と「歯槽性上顎前突」、そのミックスの3種類があります。
- 骨格性上顎前突:骨格が原因で上顎が全体的に前に出ている。(もしくは、下顎が全体的に後ろに下がっているケースもある。)
- 歯槽性上顎前突:骨格ではなく、前歯の傾きで前に出ている。
- 骨格性上顎前突と歯槽性上顎前突の混合型:上記両方のミックス。日本人に一番多い。
治療しやすい出っ歯
歯並びに問題のある「歯槽性上顎前突」です。歯が傾いて飛び出ている場合は角度を調整し、傾斜を緩やかにさせます。歯自体の傾きや位置に問題がある場合の出っ歯はインビザラインで矯正可能です。
軽度であれば、骨格に問題のある「骨格性上顎前突」も治療可能です。 出ている歯列を後方に移動させることで改善をはかります。顎間ゴムという上顎と下顎にゴムをかける方法を併用することで、顎の位置もある程度であれば改善が可能です。
治療しにくい出っ歯
骨格が大幅に前突している「骨格性上顎前突」や、歯の大きな移動があるケースはインビザラインでは矯正が難しいです。上顎の小臼歯(前から4番目の歯)を抜歯して、歯を大きく動かして下げていく場合が多く、歯の移動が大きくなると、インビザラインより、ワイヤー矯正が適していることがあります。
さらに骨格的な問題が大きい場合は、顎の骨を切る外科手術やアンカースクリュー(顎の骨にネジを打ち込む方法)などで矯正する必要があります。
いわゆる「口ゴボ」(上下顎前突、上下の顎が突出しており口元全体が飛び出て見える状態)もインビザラインでは対応が難しいケースです。
歯を移動させても口元全体が出ているのは治りません。その場合は、やはり外科手術の適用となります。
インビザラインで出っ歯を治療する方法
インビザラインで出っ歯を矯正する場合まずは、骨格的な問題がないかを検査します。
口腔内の写真や歯のレントゲン撮影、CT撮影に加えて、セファロ撮影という、横顔のレントゲンを撮影します。横顔のセファロを分析することで、歯だけの問題なのか、骨格にも問題があるのか、上顎、下顎どちらの位置が悪いのか、抜歯した場合にどれくらい下げることができるのか、を診断することができます。
マウスピース1枚で動かせる歯の移動量は約0.25mmのため、一度に大きく歯を動かすことはできません。枚数を重ねることで歯を移動させていきます。歯を移動させるためには歯列にスペースを確保する必要があります。治療計画シミュレーションを行い、抜歯の要不要を検討します。
①抜歯が不要な場合
歯を移動させるスペースを確保するためにIPRを行います。
IPRとは、歯と歯の間を0.1mm単位で削ることで隙間を作る処置です。
それ以外にも拡大と言って、歯列を広げることでスペースを確保する方法を撮る場合もあります。
顎の位置の修正が必要な場合は、顎間ゴムという上顎下顎の位置のバランスをとる方法を併用することもあります。
②抜歯が必要な場合
抜歯をする場合、前から4番目の小臼歯と呼ばれる歯を抜くことが多く、歯列の真ん中あたりの歯を抜くことで全体的な歯の移動量を少なくすることができます。これによってできたスペースを埋めるように突出している歯を少しづつ動かしていきます。中等度~重度の出っ歯の場合は抜歯が必須になります。
インビザラインで出っ歯を治療するメリット
マウスピースの見た目が目立たない
インビザラインは透明なマウスピースを使った矯正方法であるため、ほとんど目立ちません。
逆にワイヤー矯正はとても目立ちやすく、少し口を開けただけで矯正していることが周りの人にわかってしまいます。そのため見た目が気になって矯正治療をためらってしまう方もいるようです。
ですが、インビザラインの場合はほとんど気づかないため、見た目を気にする方にはぴったりの方法です。
痛みや違和感が少ない
ワイヤー矯正は歯を動かす力が強い一方で、痛みを感じやすいです。それに比較してインビザラインは弱い力で少しずつ矯正する方法であり、ワイヤーを使った矯正よりも痛みを抑えることができます。1つのマウスピースで動く距離は0.25㎜と決まっているため、過度な力がかからず、歯に優しい方法です。
できるだけ痛くない矯正に取り組みたい方にとってメリットです。
過去にワイヤーを使った矯正に取り組んだことがあるものの、痛みの関係で続けられなかったという方は、ぜひインビザラインを検討してみてください。
自由に取り外せる
自分で着脱できないワイヤー矯正とは異なり、インビザラインは、食事をする際などに取り外しが可能です。
食事のときに取り外して好きな物を食べられるのは、他の矯正装置には無い最大のメリットです。
そして今まで通り歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って歯磨きをすることができます。また、インビザラインのマウスピースは流水で汚れを落とし、専用の洗浄剤で殺菌できるので、衛生面も安心です。
固定式のワイヤー矯正は、楽器(金管、木管楽器)を演奏する方の場合、唇に当たり吹きづらくなりますが、インビザラインであれば影響を受けにくいです。
CC上でシュミレーションができる
ワイヤー矯正は、動かしてみないとどう歯が動くのか予想ができません。しかしインビザラインの最大のメリットは、事前に歯の動きをシュミレーションできることにあります。
出っ歯を何mm下げることができるのか、抜歯をしたほうが前突感の改善ができるのか、抜歯の要不要を、術前にしっかり比較できるのは、シュミレーションができるからこそです。
矯正を始める前から仕上がりイメージができることは、患者さんにとって、とても安心なことではないでしょうか。
アタッチメントの使用で歯根のコントロールができる
インビザラインは、やわらかいマウスピースを使って歯を動かします。矯正装置がやわらかいため、ワイヤー矯正と比べてマウスピース矯正は歯を動かす力(矯正力)はマイルドです。
歯を動かす力がマイルドなマウスピース矯正は歯(歯冠)を傾ける「傾斜移動」を中心に歯並びを整えます。マウスピース矯正はワイヤー矯正のように歯根ごと歯を平行移動させる「歯体移動(したいいどう)」は原則として行えません。
しかし、アタッチメントと呼ばれる小さな突起を歯に装着し、マウスピースと組み合わせることで力を持続的かつ効果的に歯に加えることができるので、出っ歯を改善させることができます。
インビザライン以外のマウスピース矯正はアタッチメントが使えないものもあるので、同じようなマウスピースにみえても、アタッチメントの有無で治療成績に差がでることになります。
インビザラインで出っ歯を治療するデメリット
マウスピースの管理が必要
インビザラインではマウスピースをご自身で管理する必要があります。マウスピースの装着時間や交換のタイミングを守ることを前提に治療計画が立てられているため、守れない場合は当然ですが治療計画通りに歯が動きません。
誤った方法で着脱したりすると、マウスピースが変形・破損する恐れがあります。マウスピースの自己管理が適切にできない場合、治療はスムーズにすすみません。
インビザラインでは適用できない出っ歯もある
インビザラインは多くの症例に対応できる矯正方法ですが、適用できないケースも存在します。
インビザラインは歯を大きく平行移動させるのは苦手なこと、顎の骨の位置を大きく変えられないことから、治療できない症例があるのです。大きく移動させたり抜歯したりする必要がある重度の出っ歯や、顎の骨のズレが大きい重度の骨格性の出っ歯は、他の治療方法を選択・併用する必要があります。
インビザラインの出っ歯治療にかかる費用
インビザラインで出っ歯を治す費用相は、治療内容や症例によって次の通り異なります。
- 部分矯正:50〜70万円
- 全体矯正:90〜120万円
(2025年3月時点の若林歯科の矯正治療費をもとに掲載)
顎間ゴムの使用や抜歯を行う場合は、オプション代として別途費用がかかる歯科医院が多いです。
インビザラインの出っ歯治療にかかる期間
インビザラインで出っ歯を治療する期間は、症例や状態によち個人差がありますが、おおよそ約1年半から2年、これに加えて保定期間が2年ほどとなります。
出っ歯の状態が非常に軽度である場合は、1年前後で治療が完了できることもあります。
そもそも出っ歯になる原因
出っ歯の原因は、大きく遺伝的要因と後天的要因があります。特に後天的な要因は、生活習慣や癖による影響が大きいとされています。
◎遺伝的要因
上顎が過度に発達しているか、逆に下顎が発達していないなど、骨格の異常が主な原因です。また、家族に出っ歯の方がいる場合、その遺伝的影響を受けることがあります。遺伝的な要因は、2割程度といわれています。
◎生活習慣による影響
出っ歯の多くは、後天的な要因として、舌で前歯を押す癖や口呼吸、幼少期の指しゃぶりなどの悪習癖だと考えられています。
これらの悪習慣が続くことで、前歯が外に押し出され、結果的に歯が前方に突出してしまいます。特に、口をぽかんと開けている時間が長い子供は、唇の筋力が弱い傾向にあり前歯が突出する傾向にあります。
インビザライン治療によって出っ歯になることがある?
歯を動かすためにはスペースが必要です。スペースを作るには3つの方法があります
- 歯を削る(IPR)
- 抜歯する
- 歯列を広げる(拡大)
です。
3は、歯列を前に広げることで歯を移動させるスペースを確保する方法です。抜歯をせずにインビザライン治療を進める場合に用いられることが多い方法ですが、前に出すぎてしまうリスクもあり、出っ歯になったと感じることがあります。
他に前歯の大きさが一般的な大きさより大きい場合にも、出っ歯になったようにみえることがあります。
いずれもIPRを効果的に使用することで避けることができます。
インビザラインで出っ歯の治療をご検討中の方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください
出っ歯で悩んでらっしゃる方は多く、インビザラインで出っ歯の改善は可能です。
ただインビザライン治療で用いる拡大治療は、歯列を前方に広げることから出っ歯になってしまったと感じる方もいます。
そのようなことが起きないように、事前のカウンセリングと念入りなシュミレーションが重要です。
若林歯科では知識と経験豊富な歯科医師、スタッフがカウンセリングから治療まで担当します。お悩みやご不安を聞き、患者様一人ひとりにあった治療方法をご提案させていただきます。また、希望予算や期間に応じて治療プランをご選択いただけます。
インビザライン矯正で出っ歯の治療をご検討の方はぜひ、若林歯科にご相談ください。
LINEでの新規矯正相談のご予約も承っております。
※LINEでのご相談は豊田市近隣にお住まいの方限定となります

