2026/02/26 ブログ
マウスピース矯正は保険適用される?されない場合に費用負担を抑えるには

この記事を執筆した人
若林歯科院長 米崎美桜
愛知学院大学歯学部を卒業後、同大学で歯科医師臨床研修(小児歯科)を修了。
日本小児歯科学会会員、一般社団法人日本小児矯正研究会副理事長として小児歯科・矯正治療の専門性を持ち、特にインビザラインを用いた矯正に強みを発揮しています。
豊田市内の学校・こども園の歯科医としても活動し、虫歯予防から歯列改善まで幅広く対応。医療コラム執筆者としても信頼され、保護者に向けて「一生涯虫歯ゼロ+美しい歯並び」をサポートする情報を提供しています。
「歯並びを綺麗にしたいけれど、マウスピース矯正って保険はきくのかな?」と疑問に思っていませんか?結論からお伝えすると、マウスピース矯正は基本的に「自由診療」となり、保険は適用されません。しかし、特定の条件を満たす場合のみ保険診療の対象となるケースもあります。
今回は、マウスピース矯正の保険適用の条件や、保険外でも費用負担を抑える方法について解説します。
マウスピース矯正は基本的に保険適用外
マウスピース矯正を含め、見た目を整えることを主な目的とする歯科矯正は、基本的に保険適用外の自由診療となります。日本の公的医療保険制度では、「病気の治療」が対象であり、審美的な改善は対象とならないためです。
そのため治療にかかる費用は全額自己負担となります。歯科医院によって料金設定が異なるのも、自由診療であることが理由です。自由診療であるため、各歯科医院が独自に治療方針や使用する矯正装置、料金を設定しています。
これは、より新しい技術や材料、患者さんの要望に合わせた柔軟な治療計画が可能になるというメリットがある一方で、費用の総額が高額になりやすいというデメリットもあります。
見た目(審美)の改善を主な目的とする場合、基本的に保険の適用は期待できないため、事前に治療費の総額をしっかり確認し、自由診療であることをよく理解した上で治療を進めることが重要です。
マウスピース矯正が保険適用されるケース
厚生労働省が定める特定の疾患に該当し、かつ指定された医療機関で治療を受ける場合に限り、保険が適用される可能性があります。

先天性疾患による咬合異常がある
「唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)」などの先天性疾患(生まれつきの病気)に起因する咬合異常(噛み合わせの不具合)の矯正治療は、保険適用の対象となる場合があります。
具体的には、厚生労働大臣が定める疾患リスト(59種類)に該当する場合です。
これらの先天性疾患は、単に歯並びが悪くなるだけでなく、顎の成長や機能に重大な影響を及ぼすため、機能の回復を目的とした治療として保険が適用されます。ただし、治療を受けることができるのは、国が定めた「指定された医療機関」(自立支援医療(育成・更生医療)の指定を受けている医療機関など)に限られます。
顎変形症による咬合異常がある
顎の骨の形や大きさに問題がある「顎変形症」と診断され、手術を伴う矯正治療が必要な場合も、保険が適用されるケースに該当します。この場合、外科手術とセットで矯正治療が行われます。
顎変形症は、上下の顎のバランスが著しく悪く、正常な噛み合わせや発音ができない状態です。この症例では、外科手術で顎の骨の位置を修正し、その前後で矯正治療を行います。この一連の治療が保険適用となるのは、審美ではなく機能回復を主目的としているためです。
顎変形症の治療も、すべての歯科医院で受けられるわけではなく、顎口腔機能診断施設として認可された医療機関でのみ、保険が適用されます。
永久歯萌出不全による咬合異常がある
前歯の永久歯が3本以上生えてこない(埋伏している)ことによる咬合異常なども、条件を満たせば保険適用となる可能性があります。
永久歯の萌出(生えてくること)に異常がある場合や、歯胚(歯の元)の異常、あるいは重度の叢生(歯のでこぼこ)が原因で噛み合わせが著しく悪い場合も、保険適用の対象となる特定の基準を満たすことがあります。
マウスピース矯正にかかる費用
保険が適用されない場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的な医院の主な内訳は以下の通りです。

初診・カウンセリング料
無料〜5,000円程度。初診やカウンセリングの段階で、患者さんのお悩みや希望の治療期間、予算などをヒアリングします。無料としている歯科医院もあれば、精密検査前の簡易的な診察料として費用を設定している場合もあります。
検査料
レントゲンや3Dスキャンなどの精密検査に約5万円程度。本格的な治療に入る前に、歯型、レントゲン写真、口腔内写真、顔写真、顎関節の検査などを行い、現在の歯や骨の状態、噛み合わせの詳細なデータをあつめます。この精密検査の結果に基づき、治療計画(シミュレーション)が作成されます。
矯正装置代
マウスピースの作製費用です。軽度なら50万円〜、全体矯正なら70万円〜120万円程度が相場です。この費用が矯正治療費用の大半を占めます。使用するマウスピースの種類(インビザライン、アソアライナーなど)や、治療範囲(部分矯正か全体矯正か)、症例の難易度によって大きく変動します。
治療期間が長くなり、必要なマウスピースの枚数が増えるほど、費用も高くなる傾向にあります。
診察・通院代
1回の通院につき3,000円〜1万円程度の調整料がかかることがあります。マウスピース矯正では、通常1〜3ヶ月に一度程度通院し、治療の進捗確認や、必要に応じて歯の表面を少し削る(IPR)処置、アタッチメントの装着・調整などを行います。
この際にかかる費用が調整料(処置料)です。ただし、トータルフィー制度を採用している医院では、この調整料が別途発生しない場合があります。
保定装置代
治療後の後戻りを防ぐリテーナー代として3万円〜6万円程度必要です。矯正装置を外した後、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、保定装置(リテーナー)を装着する期間(保定期間)が必要です。この保定装置の費用は、多くの場合、矯正治療費とは別で必要です。
保険適用外でもマウスピース矯正の費用を抑える方法
「全額自己負担は厳しい……」という方でも、以下の方法で実質的な負担を軽減できる可能性があります。

医療費控除を活用する
1年間に支払った家族全員分の医療費が10万円(所得によってはそれ以下)を超えた場合、確定申告で「医療費控除」を受けられます。噛み合わせの改善など「機能回復」を目的とした治療であれば対象となります。
医療費控除は、支払った医療費の一部が課税対象となる所得から差し引かれ、結果として所得税や住民税が安くなる制度です。単に見た目を整えるためではなく、不正咬合の治療や咀嚼機能の改善を目的とした矯正治療であれば、自由診療であっても対象になります。
デンタルローンで支払う
歯科治療に特化した「デンタルローン」を利用すれば、月々の支払い額を抑えて分割払いが可能です。クレジットカードの分割払いよりも金利が低く設定されていることもあります。
矯正治療費は高額になりがちですが、デンタルローンを利用することで、一度に大きな金額を支払う必要がなくなり、経済的な負担を平準化できます。月々の返済額や返済期間を柔軟に設定できるのが特徴です。事前に金利や手数料、総支払額をよく比較検討することが重要です。
部分矯正を検討する
「前歯の隙間だけ治したい」といった軽度な症例であれば、部分矯正を選択することで、費用を30万円〜50万円程度に抑えられます。
部分矯正は、気になる一部の歯(主に前歯)だけを動かす治療法で、全体矯正に比べて治療期間が短く、使用するマウスピースの枚数も少ないため、費用を大幅に抑えることができます。ただし、部分矯正が適用できる症例は限られているため、適用可能かどうかは歯科医師の診断が必要です。
治療費の内訳や総額が明確な歯科医院を選ぶ
「トータルフィー制度(総額提示制)」を採用している医院であれば、追加の調整料がかからず、予算計画が立てやすくなります。トータルフィー制度では、治療開始前に提示された総額費用に、矯正装置代、調整料などがすべて含まれているため、治療期間が延長しても追加費用が発生する心配がありません。
従来の料金体系(処置ごとに費用が発生する都度払い)と比較して、予期せぬ出費を避けられるため、安心して治療に臨むことができます。
マウスピース矯正を検討している方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください
若林歯科では、患者さんのご希望の予算や期間に応じた最適な治療プランを調整料込みのトータルフィー制度でご提案しております。「自分の場合は保険の対象になる?」「費用はどれくらいかかる?」といった不安をお持ちの方も、まずは一度ご相談ください。
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