2025/12/26 ブログ
インビザラインのゴム掛けとは?種類や付け始めるタイミングなど解説します
インビザラインのゴム掛けは、矯正治療を効率的に進めるための補助器具です。ゴムの種類ごとに装着方法や注意点があり、効果を最大限引き出すためには正しく使用することが大切です。今回はゴムかけのタイミングやコツについて詳しく解説していきます。
インビザラインのゴム掛けとは
ゴム掛けとは、インビザライン矯正中に使用する小さなゴムのことで、顎間ゴムやエラスティックとも呼ばれます。歯にボタン(突起物)をつけたり、マウスピースに切れ込みを入れた部分にゴムを掛けます。
矯正を効率的に進めるための補助器具で、ゴムを装着する場所や装着する時間は、患者さんによって異なります。上下間だけでなく、歯の表裏でゴムかけを行う場合もあります。

インビザラインでゴム掛けをする目的・効果
インビザライン矯正でのゴムかけは、歯並びが整ってきた治療の後半でゴムかけを行うことで、マウスピースでは対応しきれない細かな歯のズレも改善できます。また、マウスピースは基本的に水平的に歯を動かしますが、ゴムかけを行うことで垂直的(上下)に力を加えることができるため、噛み合わせの改善にも効果があります。
さらに、ゴムかけによってマウスピースよりも大きな力を歯に加えることができるため、より早く歯を動かすことができ、治療期間の短縮にもつながります。
インビザラインのゴム掛けを始めるタイミング・期間・時間は?

タイミング
ゴム掛けを開始するタイミングは症例によって異なります。一般的には治療の中盤から後半で開始することが多いですが、始めから歯並び・噛み合わせが整っているようなケースであれば、治療開始後数か月で始まることもあります。
全ての症例でゴム掛けを行うわけではないので、あくまでも症例によって異なります。
期間
ゴムかけの時間は一般的にマウスピースと同じ時間です。1日20時間以上の装着で、効果を最大限得ることができます。ゴム掛けは補助器具ではありますが、装着を怠ると、治療計画が思うように進まず、後戻りや噛み合わせの不具合が生じることもあるため、歯科医師の指示通り行うようにしましょう。
装着時間
ゴム掛けを行う期間は症例によって異なります。歯並びや噛み合わせの状態が良好な場合は、1ヶ月程度で終わることもありますが、噛み合わせのズレが大きい場合には半年以行うこともあります。
インビザラインで用いるゴム掛けの種類
ゴムかけのやり方は大きく分けて4種類あります。
Ⅱ級ゴム
上顎前突(出っ歯)の症例に用いられるゴム掛けです。一般的に上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯の間にゴムが掛かります。上顎を後方に、下顎を前方にそれぞれ引っ張ることで出っ歯を改善します。

Ⅲ級ゴム
下顎前突(受け口)の症例に用いられるゴム掛けです。Ⅱ級ゴムとは逆に、上顎の第一大臼歯と下顎の犬歯の間にゴムを掛けます。これにより、上顎は前方に、下顎は後方に引っ張られ、受け口を改善します。

垂直ゴム
上下の歯の噛み合わせを改善するために使われます。通常、上の歯と下の歯にゴムを掛けて、垂直方向に力を加えます。これにより、噛み合わせの浅い開咬(前歯が噛み合わない状態)や歯の高さが不均等なことによる噛み合わせのズレを修正します。

交叉ゴム
上下の歯が左右にズレて噛んでいる状態(交叉咬合)を改善するために使用されます。通常、上の歯の表側と下の歯の裏側、またはその逆にボタンやフックを設置し、斜めにゴムを掛けて横方向に力を加えます。これにより、歯列の左右バランスや噛み合わせが整い、効果的に治療が進みます。

インビザラインのゴム掛けの方法
実際の装着手順とコツをご説明します。
①まず片方のボタンに輪状のゴムを引っかけます。
②もう片方のボタンまで伸ばして装着します。
コツは、見えにくいほうからかけることです。
例えば、Ⅱ級ゴムやⅢ級ゴムは奥歯から、交叉ゴムは歯の裏側から掛け始めると、反対側への装着がしやすくなります。やりにくい場合、エラスティックホルダーという専用器具を使う方法もあります。鏡を見ながら繰り返し練習することで、次第に上手くできるようになります。
慣れてくるとエラスティックホルダーなしで直接手でゴムをかけられるようになることもあります。
インビザラインのゴム掛けに関する注意点
ゴム掛けの時間を守る
インビザライン治療で使用されるゴムは、その効果を最大限に引き出すために、1日20時間以上の装着が推奨されています。マウスピースをつける際には必ずゴムも装着するようにしましょう。
ゴム掛けの位置を守る
ゴム掛けを行う場所は決められており、違う場所にかけてしまうと矯正力が本来とは違う方向に加わってしまいます。慣れないうちは、鏡でゴムをかけるフックやボタンの位置を確認しながら行うようにしましょう。
ゴムは毎日交換する
ゴム掛けのゴムは毎日交換してください。ゴムの弾力が低下するとその効果も低下してしまい、結果として治療期間が延びる可能性があります。また、同じゴムを使い続けることは衛生的にもよくありません。必ず毎日新しいものに交換しましょう。
ゴムの予備を常備する
ゴムは常に引っ張られている状態のため、劣化が早く、使用している途中で切れてしまうことがあります。常に予備のゴムを持ち歩くようにしましょう。
片側のゴムが切れたら両方交換する
片方だけゴムが切れてしまった場合には、切れた方だけを交換するのではなく、左右のゴムを同時に新しく交換しましょう。左右均等に矯正力をかけることができ、適切に治療が進みます。
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