2025/12/26 ブログ
インビザラインの交換頻度を解説。頻度を決める要素や早めるコツなど
インビザラインでの治療を検討しているけれどマウスピースはどれくらいの頻度で交換するのか気になってはいませんか。今回は、インビザラインで使用するマウスピースの交換頻度について解説します。
インビザラインの交換頻度は平均何日?

インビザラインでは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を少しずつ動かしていきます。一般的な交換の目安は「7日ごと」です。最初の4日間は徐々に歯を動かし、残りの3日間で歯を安定させるというサイクルを繰り返すことで、効率的に歯並びを整えていきます。
ただし、歯の動き方や治療内容によっては、「10日〜14日ごと」に交換するケースもあります。最近では、装着時間をしっかり守れている方や歯の動きがスムーズな方は、「1週間ごと」のペースで進めることが多くなっています。10歳以下のお子さんは、「3日〜4日ごと」の場合があります。
1日22時間以上マウスピースを装着し、歯科医師の指示どおりに交換することです。正しいペースを守ることで、予定通りに治療が進み、美しい歯並びへと近づきます。
インビザラインの交換頻度を決める要素
年齢
矯正治療では、歯を動かすために顎の骨が「溶ける・作られる」を繰り返す仕組みを利用しています。歯が押された側では骨が吸収され、反対に引っ張られた側では骨が新しく作られることで、歯は少しずつ理想の位置へ移動していきます。
この骨の代謝サイクルがスムーズに働くほど歯の動きも良くなるため、代謝が高い方ほど歯は早く動く傾向があります。代謝は年齢とともにゆっくりになるため、一般的には若い方ほどマウスピースの交換ペースが短くなります。
元の歯並びの状態
インビザラインの交換頻度は、治療を始める前の歯ならびの状態がどれくらい複雑かによって大きく変わります。歯の重なりが軽度で、上下の噛み合わせに大きな問題がない場合、歯の移動量が少なくて済むため、比較的短いサイクル(7日ごとなど)でマウスピースを交換できることが多いです。
一方、ガタガタが強いケースや、出っ歯・受け口・噛み合わせのズレが大きいケースでは、歯を理想的な位置へ動かすためにより多くのステップが必要になります。移動量も大きくなるため、交換頻度は10日〜14日など少し長めに設定される傾向があります。
また、抜歯が必要なケースや奥歯の位置を大きく動かす治療など、段階的に慎重なコントロールが必要な場合も、交換間隔が長くなることがあります。
つまり、歯ならびが整っているほど交換は早く進みやすく、複雑なほどゆっくり進めるといえます。
歯の健康状態
インビザラインの交換頻度は、歯ならびの状態だけでなく、治療前の歯や歯ぐきの健康状態によっても左右されます。むし歯や歯周病がある場合、まずは治療を優先する必要があり、アライナーの交換ペースも慎重に設定されることがあります。
特に歯周病があると、歯を支える骨が弱っている可能性があるため、急激に歯を動かすことは避けなければなりません。また、歯ぐきの炎症が強い状態や、噛みしめ・食いしばりが強い方も、アライナーへ過度な力がかかりやすく、交換間隔を短くしすぎると負担が大きくなる場合があります。
逆に、歯や歯ぐきが健康で、炎症がなく安定している方は、歯の移動がスムーズに進むため、通常の7日ごとの短いペースで進められるケースが多いです。インビザラインは歯を安全に動かすことが最優先のため、歯と歯ぐきの状態が良いほど治療も順調に進みやすいと言えるでしょう。
インビザラインの交換頻度を勝手に早めるのはNG

インビザラインは、歯科医師が一人ひとりの歯の動き方や骨の状態を踏まえて「最適な交換頻度」を設定しています。そのため、自己判断でマウスピースの交換ペースを早めることは絶対にやめましょう。
早く進めればその分治療期間も短くなるように感じますが、実際にはその逆で、思わぬトラブルや治療の遅れにつながることがあります。ここでは、交換頻度を勝手に早めてはいけない理由について詳しく解説します。
かえって矯正の進みが遅くなることがある
マウスピースの交換間隔は、歯が「次の段階の動きに耐えられる状態」になっていることが前提です。交換を早めてしまうと、歯が十分に動ききっていない段階で次の強い力をかけることになり、アライナーがしっかりはまらない・浮いてしまうなどのトラブルを招きます。そうなると再調整や追加アライナー(リファインメント)が必要になり、結果的に治療が遅れてしまいます。
歯や骨への負担が大きくなる
インビザラインは、歯の周りの骨が「吸収」と「再生」を繰り返す仕組みを利用して歯を動かします。このサイクルには個人差があり、歯科医師が、骨の代謝スピードを考慮して交換間隔を決めています。
自己判断で交換を早めると、骨の再生が追いつかず、歯に過度な負担がかかってしまいます。その結果、歯根吸収(歯の根っこが短くなる)、歯が揺れる、噛むと痛いといった症状につながることもあります。
特に歯周病がある方や、骨が弱くなっている方は大きなリスクとなるため、必ず決められたタイミングを守りましょう。
痛みを感じやすくなる
マウスピースを交換した直後は、歯に新しい力が加わるため多少の違和感や痛みを伴うことがあります。適切な交換ペースであればこの痛みは一時的で問題ありませんが、早めすぎると歯に強い負荷がかかることで、痛みが長引いたり、強く感じやすくなります。
また、痛みを避けようとして装着時間が短くなり、結果的に治療が遅れる悪循環に陥ることもあります。
インビザラインの交換頻度が遅くなる原因

マウスピースを正しく装着していない
交換頻度が遅くなる原因で最も多いのが、「マウスピースの装着不足」です。インビザラインは1日22時間以上の装着が前提となっており、装着時間が不足すると歯が予定どおり動きません。
特に、食事や会話のために外す時間が長かったり、「少しきついから」という理由でしっかりはめていなかったりすると、アライナーが浮いてしまい、次の段階のマウスピースが入りにくくなります。
さらに、チューイーを使用してアライナーをしっかりフィットさせる習慣がない場合も、動きが遅れる大きな要因です。こうした積み重ねにより、交換時期が1〜2週間延びてしまうことがあります。
口腔トラブルが発生した
口内炎、歯ぐきの炎症、むし歯、歯周病など、口腔トラブルが発生した場合も交換が遅くなる原因となります。痛みが強くてマウスピースを長時間装着できなくなると、歯の動きが悪くなります。
また、歯周病による歯ぐきの腫れがある状態で無理に動かすことは大きなリスクを伴うため、歯科医師が交換間隔を延ばすこともあります。
マウスピースを紛失・破損した
アライナーの紛失や破損も、交換時期がずれてしまう大きな要因です。旅行先で失くしてしまったり、誤って踏んで割ってしまうケースは意外とよくあります。紛失した場合、無理に次のマウスピースへ進むと適合が悪くなる可能性があり、治療計画が狂う原因になります。
インビザラインの交換頻度を早める方法
歯科医師の指示通りにマウスピースを装着する
交換頻度を早めるために最も重要なのは、「1日22時間以上の装着時間を徹底すること」です。マウスピースをしっかり装着することで、歯が予定どおりのスピードで動きます。装着時間が不足しているとアライナーが浮いたり、歯が十分に動かないまま次のステップに進んでしまい、交換を早めるどころか治療の遅れにつながります。
「寝る前に装着を忘れた」「外したまま数時間放置」などの小さな積み重ねが、最終的な治療期間に大きな差を生むこともあります。日常生活の中での徹底が、最も確実な近道です。
口内を清潔に保ち、口腔トラブルを避ける
むし歯や歯ぐきの炎症があると痛みで装着時間が減ったり、歯科医師が安全性を考えて交換間隔を長めに設定したりします。口内炎ができやすい環境や歯周病のある状態で歯を早く動かすと大きな負担になるため、毎日のブラッシング・フロスの使用、マウスピースの洗浄を行い、健康な口内環境を維持することが重要です。お口が健康な方ほど歯が順調に動き、交換頻度も早めやすくなります。
チューイーを使う
チューイーは、アライナーをしっかり歯に密着させるためのスティックです。マウスピースを手ではめただけでは、正しい位置に装着できず、歯に力が均等にかかりません。装着時には必ずチューイーを噛む習慣をつけることでアライナーがぴったりフィットし、計画通りに歯が動きやすくなります。
加速装置を使う
加速装置(光加速装置や振動型デバイス)は、光や微細な振動を利用して歯を支える骨の代謝を促進し、歯が動くスピードを高めるための補助機器です。毎日数分使用するだけで歯の移動をサポートし、交換ペースを短縮できます。特に、治療を早く終えたい方に有効です。
もちろん、適応かどうかは歯科医師の診断が必要ですが、治療スピードを高めるには有効です。

インビザラインを検討している方は、愛知県豊田市の若林歯科にご相談ください
若林歯科では、知識と経験豊富な歯科医師、スタッフがカウンセリングから治療までを担当します。お悩みやご不安を伺い、患者様一人ひとりにあった治療方法をご提案いたします。また、希望予算や期間に応じて治療プランをご選択いただけます。
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